心房細動について

      南陽堂内科循環器科クリニック

 

心房細動は加齢とともに頻度が増加する不整脈です。自覚症状のない方もいらっしゃいます。心房がけいれんしてしまうため、脈が完全に不整になります。けいれんした心房には血栓(凝固した血液のかたまり)ができやすいことも問題になります。

心房細動になっても心臓病のない患者さんでは危険がそれほど高いわけではありません。心房細動の治療は@心房細動の除細動をこころみる、A脈拍数と症状のコントロール、といった2つの治療方針があります。どちらを選ぶかは患者さんの選択によります。また、血栓塞栓症の危険が高い患者さんでは抗凝固療法が必要になります。

 

@  心房細動の停止(除細動)をこころみる。

数ヶ月以上心房細動が持続している場合、他に心臓病がある場合、心房のサイズが大きい場合は停止させるのは難しくなります。一度停止しても再発する頻度が増えてきます。48時間以上たった心房細動ではけいれんした心房内に血栓ができていることがあり、心房細動をとめる前に3週間の抗凝固療法が必要になります。特に急いで除細動する場合は経食道心エコーで左心房内の血栓を評価します。経食道心エコーで血栓がなければ比較的安全に除細動することができます。48時間以内の発症であれば除細動を直ちに試みても比較的安全といわれています。除細動は薬で行う方法と直流通電(電気ショック)による方法があります。直流通電の方が効果は確実ですが、麻酔をする必要があります。薬が効かない場合、直流通電を推奨しています。心房細動が停止した場合、再発予防の薬を内服していただきます。それでも再発した場合はもう一度、直流通電することも検討いたします。頻回に心房細動を繰り返す場合など、抗凝固療法の継続が必要になります。

 

A  脈拍数と症状のコントロール

安静時の心拍数だけでなく運動時の心拍数も管理する必要があります。通常は頻拍になりやすいため心拍数を抑える薬を内服していただきます。心拍数が早いと心臓は空振りするため、実際の心拍数と脈拍数で異なることがあります。心拍数と脈拍数を一致させることが治療の目標です。24時間心電図や運動負荷心電図で心拍数のチェックをしています。また、心臓病のある患者さんや65歳以上では脳塞栓症の危険が増えるため、抗凝固剤による予防が必要になります。

 

抗凝固療法について

ワーファリンという薬を使います。ビタミンKの作用を阻害して血液を固める物質(血液凝固因子)の生成を抑える働きがあります。ビタミンKの多い食物をたくさん摂ると薬の効果が弱くなります。特に納豆とクロレラは食べないでください。個人個人で薬の投与量が異なり、食事の影響も受けやすいため外来受診時には血液検査(トロンボテスト)で薬の効果を確認いたします。10-30%前後がちょうどよいとされています。あまり低すぎると出血の危険が高くなります。40%以上ではあまり効いていないことになります。

抜歯、手術する時、怪我をした時など中止が必要なことがあります。出血が止まらない時などはご連絡ください。ビタミンK製剤により薬の効果を打ち消すことができます。